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まずヘルニアについて説明しましょう。ヘルニアとは、体内のある臓器が本来あるべき位置から脱出してしまった状態を指します。有名なところでは、臍ヘルニア〈でべそ〉、鼠径ヘルニア〈脱腸)があります。これが背骨のクッションである椎間板におこったものを椎間板ヘルニアと呼びます。椎間板の中に存在する髄核というゲル状の組織が、外に飛び出してしまった状態です。
これが腰の骨である腰椎の椎間板で起こったものを腰椎椎間板ヘルニアと呼びます。
腰椎椎間板ヘルニアの症状としては、腰痛をはじめ、下半身の痛みやシビレ、足が上手く動かせなくなる運動麻痺、感覚が鈍くなる感覚麻痺などが起こります。
腰椎椎間板ヘルニアは、多くの場合日々の生活の中で椎間板への負担が積み重なり発症します。
長時間の車の運転や中腰での作業、重いものを持つなど、腰に負担のかかりやすい生活を送っている人ほど腰椎疾患を発症しやすいと言えるでしょう。
特に男性の場合、職業ドライバーや大工・塗装屋などの職人、金属・機械業就労者は事務職の就労者に比べ、約3倍腰椎椎間板ヘルニアになりやすいと言われています。
ただ、そういった腰に負担のかかることをしない方でも、細菌では長時間PC作業をしている人などにも、椎間板ヘルニアを発症する人は存在します。また、 喫煙・遺伝なども腰椎椎間板ヘルニアの発症に影響があると言われています。
前述の通り、腰椎椎間板ヘルニアは腰への負担の積み重ねによって発症するため、活動性の高い20代から40代、次いで10代と50代の男性に多く見られます。
腰椎は第1から第5まで5つが存在しますが腰椎椎間板ヘルニアの大部分は、構造上負担のかかりやすい第4腰椎と第5腰椎の間、また第5腰椎と仙骨の間で起こります。
また、椎間板への圧力が原因となっていることから、左右同時にヘルニアが発生することはなく、片側のみ発生することも特徴といえます。
いずれにせよ、適切な治療のためには症状を引き起こしている部位を特定することが重要です。
明らかにいつもと違う、不安が大きい場合には医療機関を受診し、MRIをはじめとした精密な画像検査に加え、診断が必要となります。
医師による腰椎椎間板ヘルニアの診断は、症状や発症機序などの問診に始まり、筋力・感覚検査、各種神経の検査による診察所見が必要です。
一般に整形外科で多く行われているレントゲン検査だけでは確定診断は難しく、椎間板や神経を写し出すMRI検査が椎間板ヘルニアの診断には必須です。
※経験豊富な医師はヘルニアと診断するのはできますが、他の疾患を見落とさないためにも画像診断をお勧めいたします。
急性期の場合には、痛み止めの薬を服用しながら、腰椎に負担のかからない(痛みのでない)体勢や日常生活を心掛けます。
同時に、腰椎の圧力がかかっている原因となる筋肉を緩めていくリハビリをおこないます。
この時に無理にストレッチなどを行うと痛みに過敏になっている神経を刺激し、より痛みを増悪させる恐れがあります。
入浴、睡眠をしっかりとるなどして筋肉を緩めましょう。
体のことを熟知している整体院などがあれば、そこで無理のない範囲で筋肉をほぐしてもらうのも良いでしょう。
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