ぎっくり腰とは?

魔女の一撃!

ぎっくり腰って何?

ぎっくり腰とは?

重い物を持った拍子に、突然腰が痛くなり動けなくなる――そんな恐ろしい症状がぎっくり腰です。正式には「急性腰痛症」と呼ばれます。

その名の通り、急激に発症する腰痛を指し、欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれるほどです。


ぎっくり腰の経過と注意点

ほとんどの場合、1~2週間程度の安静で自然に回復します。(動けるようになれば、日常生活に復帰可能です。)
しかし、以下のような症状がある場合は注意が必要です:

  • 時間が経っても改善しない。
  • 下半身に痛みやしびれが出る。

これらは、椎間板ヘルニアなどの病気が隠れている可能性があるため、専門医の診察を受けましょう。


発症の原因

ぎっくり腰が起こる背景には、以下のような要因があります。

  1. 運動不足による筋力の低下
  2. 加齢に伴う腰まわりの筋肉や関節の衰え、柔軟性の喪失
  3. その状態に、無理な動きが加わること

これらが重なり、腰が急激に負担を受けることで発症します。


あなたの痛みが「かがむと痛い」か「反ると痛い」かを正しく判断し、適切な対処をすることが大切です。

ぎっくり腰ってなんでなるの?

患者さんから最も多く聞かれるのは、「重い物を持ち上げたとき」に発症するケースです。しかし、それ以外にも、

  • 靴下をはこうとしたとき
  • 少しお辞儀をしただけ
  • ただ立ち上がろうとしただけ

といった、日常のささいな動作でも起こることがあります。


身体の中で何が起こっているの?

ぎっくり腰が発症するメカニズムについては、実は明確には解明されていません。ですが、発症しやすい人の特徴として、以下のような状態が挙げられます:

  1. 適度な運動不足
    腰まわりの筋肉や関節が弱まり、衰えている。
  2. 柔軟性の低下
    筋肉や関節が硬く、こわばった状態になっている。
  3. 無理な動き
    そのような脆い状態で無理な動作をすることで、腰に過度な負担がかかり、ぎっくり腰が発症します

日常生活の中で予防するためには、適度な運動で筋力と柔軟性を保つことが大切です。

ぎっくり腰は安静にする?

ぎっくり腰は、痛みの強さからつい横になって休みがちですが、できるだけ安静にしない方が早く治るケースが多いです。


無理をしない範囲で動くことが大切

  • お体の状態は人それぞれなので、「痛くて動けないのに、それでも動かなければならないの?」という疑問もよく聞かれます。
  • 安静が絶対に悪いわけではありませんが、痛みがある中でもできる範囲で動くことが、回復を早める傾向があります。

具体的な動き方の例

  • 日常生活の中で少しずつ動く
    いつもの家事を軽くこなしたり、無理のない範囲で日常生活を再開します。
  • 職場や学校での工夫
    重い物を持つ作業は避け、可能であれば軽い仕事から復帰してみましょう。

無理は禁物

  • 痛くて全く動けない場合は無理をせず、適切に休むことが必要です。
  • しびれやその他の症状がある場合は、椎間板ヘルニアなどの疾患が隠れている可能性があるため、早めに整形外科を受診してください。

適度に動くことを意識しながら、無理をせず回復を目指しましょう!

ぎっくり腰の対処法


軽いストレッチでサポート
軽いストレッチを取り入れることで、筋肉の緊張を和らげ、回復を促進する効果が期待できます。
※痛みが強い場合は無理をせず、専門家に相談してください。

日常の中で適度に体を動かしながら、回復を目指しましょう!

温めたり冷やしたりは、より楽になる方を選んでいただければ間違いありません。楽になるようなら湿布や痛み止めなどを使っても構いませんし、痛みを我慢してまで普段通りの生活を行う必要はありません。

ぎっくり腰とコルセット(ベルト)

ぎっくり腰になった際、コルセットをつけると楽に動けるという方は多いです。

先述の通り、ぎっくり腰の早期回復のためには、できる限り普段通りの生活を心掛けることが重要ですから、コルセットで楽になり、普段通りの生活が行えるのであれば、有用であると言えます。

「コルセットをつけていると筋肉が落ちてしまうのでは」と心配する方もいますが、寝たきりにでもなっていない限り、コルセットの装着が直接大きな筋力の低下につながることは考え難いです。

ただ、長い目で見ると、身体の使い方が下手になったり、筋肉を上手く使うことができなくなることで、二次的に筋力の低下を招いてしまう事は考えられます。

コルセットをつけないで無理に我慢して痛みを長引かせたり、活動性が下がったりすることの弊害の方が大きいとは思われますが、コルセットに頼らずに済むのであればそれに越したことはありません。痛みと相談しながら徐々に外していくのが良いでしょう。

当院では、女性や力が弱い人向けのコルセットもご用意しています。お困りの方はご相談ください。

ぎっくり腰の時の寝方

ぎっくり腰の人の大半は仰向けで脚を伸ばして寝るのが困難です。これは筋肉や骨の構造上、仰向けになり脚を伸ばすと腰に力が集中してしまうためです。

仰向けで寝ると痛い、また、起き抜けの症状が強い場合は、膝の下に丸めた毛布、クッションなどを置き、膝が90°程度曲がった状態で寝るのが良いでしょう。

また、痛い方を上にして横向きになり、抱き枕などを抱いて寝るのもオススメです。

横向きの時に膝の間に枕をいれても可

ぎっくり腰の入浴

「湯治」という言葉があるように、お風呂に入ることは様々な身体の不調を改善してくれます。

ぎっくり腰には様々な原因があり、一概にお風呂が効果的とも言えませんが、温かいお湯にゆっくり浸かることでいくらか痛みが楽になる方が多い傾向です。

循環の改善や、浮力によって腰の負担が減ること、リラックス効果で自律神経が整うことなどがその理由として考えられますが、稀にお風呂に入ることで痛みが強くなる方もいらっしゃいます。

「腫れがある」、「患部が熱を持っている」場合などは入浴を避けたほうが良いでしょう。