腰の痛みの施術

腰の痛みの施術

腰痛とは

はじめに

あなたを悩ませている腰痛、原因をご存じですか?

腰痛と一口に言っても、その原因や症状はさまざまです。まずは、あなたの腰痛がどのようなものか、一緒に確認していきましょう!

腰痛の人は多い?

日本人が最も多く抱える症状、それは腰痛です。

ある調査※によると、日本人が自覚する症状の中で、腰痛が最も多いことがわかっています。ただし、「腰痛」と一言で言っても、その種類は多岐にわたり、対処法もそれぞれ異なるのをご存じですか?

まずは、あなたの腰痛のタイプを一緒に見つけていきましょう!

※参考:「平成28年国民生活基礎調査」「平成25年 膝痛・腰痛・骨折に関する高齢者介護予防のための研究:大規模住民コホート」より

腰痛のタイプ

「国民病」ともいわれる腰痛、その全体像を知っていますか?

腰痛は多くの人が悩む症状ですが、実はまだ分かっていない部分も多くあります。
そこで、まずは腰痛の全体像を大まかに理解することから始めましょう。

腰痛は大きく以下の2つに分類されます:

  1. 手術が必要で原因が特定できる腰痛
    • 骨折、ヘルニア、感染症、腫瘍など、明確な診断が可能で手術が適応されるケースです。
  2. 手術が不要で原因が特定しづらい腰痛
    • 筋肉や関節の負担、ストレス、生活習慣などが関与し、診断が難しいケースです。

それぞれの腰痛には異なる対処法が必要です。まずはご自身の腰痛がどちらに該当するかを把握することが重要です!

A:ときに手術が必要で、原因を特定できる腰痛

(全腰痛の15%)腰椎圧迫骨折、脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など

B:手術が不要で、原因を特定しづらい腰痛

(全腰痛の85%)筋性腰痛、椎間板性腰痛、椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛など

一般的に「腰痛」とは?

通常、「腰痛」という場合、手術が不要で原因が特定しづらい後者(非特異的腰痛)を指すことがほとんどです。

これらは慢性的な痛みとして悩む方が多く、日常生活に支障をきたすこともあります。


非特異的腰痛の4つのタイプ

今回は、腰痛の中でも代表的な4つのタイプについて解説します。それぞれの腰痛をわかりやすく整理し、便宜上の呼び名を使って説明していきます。
あなたの腰痛タイプを把握することで、適切な対処法を見つけるきっかけになります!

「腰痛」4つのタイプ・特異的腰痛(15%)と非特異的腰痛(85%)

「特異的腰痛」にはレントゲンやCT/MRI等で骨・軟骨といった画像診断や病理検査等で痛みの原因が特定されるものです。そこに器質的な問題があり、日常生活に支障がある場合には投薬や手術・リハビリといった治療が行われます。

「非特異的腰痛」では筋や靭帯といった画像診断や病理検査で、痛みの原因が明らかでなく客観的な評価が難しものになります。こういった骨・組織に機能的な問題がなく、症状だけあって日常生活がおこなえる腰痛を言います。

慢性的に痛みを起こしているもののほどんどが、「非特異的腰痛」で、病院ではシップと痛み止めで様子をみているのが現状です。

あなたが困っている腰痛やつらさは、痛み止めを飲んだり湿布を貼り続けていても、症状は一時的におさまることがっても”治っている”わけではないのです。

あなたの腰痛は?

かがむと痛い? 反ると痛い? あなたの痛みを判別しよう

筋性腰痛(10%)

筋性腰痛(筋筋膜性腰痛)とは?

筋性腰痛は、筋肉の使いすぎによって引き起こされる、いわば「筋肉痛」のような腰痛です。過度に酷使した筋肉に炎症が起こり、痛みが生じます。


筋性腰痛になりやすい人

  • 運送業など、肉体労働が多い方
    重い荷物を運ぶなどの作業で筋肉が酷使される場合に起こりやすいです。
  • 同じ姿勢を続けるデスクワークの方
    長時間の前かがみ姿勢や座りっぱなしが原因となり、筋肉に負担がかかります。

特徴と注意点

  • 特徴
    痛みの場所をピンポイントで特定できるのが筋性腰痛の特徴です。痛む部分を適切にほぐすと、症状が軽減します。
  • 注意点
    • 急性症状の場合や、強く押しすぎると、逆に症状が悪化することがあります。
    • 必ず専門家に相談し、正しい方法でケアを行いましょう。

筋性腰痛は、適切な対処を行うことで早期改善が期待できます。無理せず、プロのアドバイスを受けながらケアを進めてください!

前かがみ腰痛(40%)

前かがみ腰痛とは?

前かがみ腰痛は、背骨の椎骨と椎骨の間にある「椎間板」が原因で起こる腰痛です。前かがみの姿勢で椎間板が圧迫され、痛みが生じます。例えば、物を拾う動作で痛みを感じるのが特徴です。


前かがみ腰痛になりやすい人

  • 背筋が弱い人
    筋力不足により、腰を支える力が足りず、椎間板に負担がかかります。
  • 猫背や前かがみの姿勢が多い人
    デスクワークなどで長時間前かがみの姿勢を取ることで、腰に余計な負担がかかります。

特徴と注意点

  • 特徴
    前かがみ腰痛は、筋肉ではなく椎間板に問題があるため、揉みほぐしでは改善しません
  • 対処法
    • 正しい姿勢を意識し、腰への負担を軽減する。
    • 背筋を強化するトレーニングを取り入れる。
    • 症状が強い場合は、専門家に相談し、適切なケアを受ける。

正しい姿勢と適切なケアで、前かがみ腰痛を改善しましょう!

のけぞり腰痛(40%)


のけぞり腰痛とは?

のけぞり腰痛は、背骨の後ろ側にある「椎間関節」がぶつかることで生じる腰痛です。反り腰の姿勢を取ると痛みが現れるのが特徴で、電車のつり革を持つ、洗濯物を干す、赤ちゃんを抱っこするといった動作で悪化することがあります。


のけぞり腰痛になりやすい人

  • 腹筋が弱く反り腰になりがちな人(特に女性に多い)
    腹筋が不足すると骨盤が前傾し、反り腰が強調されます。
  • 立ち仕事で太ももの前側が張っている人
    太ももの前側の筋肉が硬くなることで骨盤が引っ張られ、腰に負担がかかります。

特徴と注意点

  • 特徴
    のけぞり腰痛は筋肉ではなく関節の問題が原因です。そのため、揉みほぐしでは改善しません
  • 対処法
    • 骨盤を正しい位置に戻すためのストレッチや体幹トレーニングを行う。
    • 腹筋を鍛えて、腰への負担を軽減する。
    • 無理をせず、症状が強い場合は専門家に相談する。

正しいケアを取り入れることで、反り腰を改善し、のけぞり腰痛の予防・改善を目指しましょう!

お尻腰痛(10%)

お尻腰痛とは?

お尻腰痛は、腰そのものではなく、お尻近くにある仙骨のつけ根が原因で発生する痛みです。主に、仙骨と骨盤をつなぐ仙腸関節の歪みや炎症によって起こります。


お尻腰痛になりやすい人

  • 産後の女性に多い
    妊娠中に分泌されるホルモン(リラキシン)の作用で、仙腸関節の靭帯が緩みます。この靭帯が出産後に正常に戻らず、関節に負担がかかることで発症するケースがほとんどです。

特徴と対処法

  • 特徴
    お尻や仙骨の周辺に痛みを感じ、動作によって痛みが強まることがあります。
  • 対処法
    • 骨盤の安定を図るために、産後ケアや骨盤矯正を行う。
    • 腰回りの筋力を無理なく強化するトレーニングを取り入れる。
    • 症状がひどい場合は専門家に相談し、適切な施術やリハビリを受ける。

産後のケアが重要です
お尻腰痛は適切な対処をすることで改善が期待できます。産後の痛みや不調を感じたら、早めに相談してください。快適な生活を取り戻すサポートをいたします!

さて、あなたの腰痛はどれに当てはまりましたか?
次は、特に悩む人が多い「前かがみ腰痛」と「のけぞり腰痛」について、おすすめの対処法をご紹介します。

対処法

間違った筋トレは逆効果!正しい方法で腰痛を改善しましょう!

腰痛回復には、2つの鉄則があります:

  1. 筋肉をほぐし柔軟性を増すためのストレッチ
  2. 筋肉を鍛えて強化するための筋トレ

これらをバランスよく取り入れることで、慢性化した腰痛の改善が期待できます。重要なのは、2~3種類の運動を1回20秒ずつ、「毎日」続けることです。

ここでは、すべての腰痛におすすめな【太ももの前面を伸ばす】ストレッチをご紹介します。

やり方

  1. 立った状態を整える
    片足のかかとをお尻に近づけるように膝を曲げます。
  2. お腹を意識する
    お腹に力を入れたまま、膝を後ろに引き、足のつけ根を前に突き出します。
  3. キープ
    そのまま20秒間キープします。
  4. 反対の足も同様に
    もう片方の足でも同じ動作を行います。


ふらつく場合は、イスや壁に片手を添えてバランスを取りましょう。ストレッチ中は呼吸を止めず、リラックスした状態で行いましょう


ストレッチの効果
太ももの前面を柔らかくすることで、骨盤の動きをスムーズにし、腰への負担を軽減します。正しいフォームで取り組み、日々のケアを続けてください!


【太ももの後面を伸ばすストレッチ】

太ももの裏側をしっかり伸ばし、腰痛の改善と予防をサポートするストレッチをご紹介します。

やり方

  1. 仰向けに寝る
    仰向けになり、片足の太ももの裏を両手で支えます。
  2. 膝をお腹に引き寄せる
    太ももをゆっくりお腹に近づけ、限界まで引き寄せましょう。
  3. 膝を伸ばす
    限界まで引き寄せたら、膝をできるだけまっすぐ伸ばします。
  4. キープ
    この姿勢を20秒間キープします。
  5. 反対側も同様に行う
    もう片方の足でも同じ動作を繰り返します。

Q. なぜ腰痛なのに太もものストレッチを行うのでしょう?

太ももの裏側には「ハムストリングス」という筋肉があります。この筋肉が硬くなると、体を前に傾ける際に背骨を大きく曲げなければならなくなり、腰に余計な負担がかかります。このような状態が腰痛の原因となるのです。

ストレッチの効果

  • 太ももの筋肉を柔らかくすることで、骨盤の動きをスムーズにし、腰への負担を軽減します。
  • 腰痛の予防とともに、動作がしやすくなり、日常生活の快適さが向上します。


無理をせず、痛みを感じない範囲で行いましょう。腰痛を根本から改善するために、ぜひこのストレッチを日々のケアに取り入れてください!


間違った筋トレは逆効果!正しい方法で腰痛改善を目指しましょう!

[前かがみ腰痛]背筋を鍛える筋トレ
このトレーニングは、背筋を強化し、前かがみ腰痛を改善するための効果的な方法です。

やり方

  1. 準備姿勢
    あお向けに寝て、両膝を曲げます。足は肩幅程度に開き、両手は体の横に自然に伸ばします。
  2. お尻を持ち上げる
    ゆっくりとお尻を持ち上げ、首から膝まで一直線になるようにします。このとき、背中や腰に力を入れすぎず、お腹にも力を入れることを意識してください。
  3. キープ
    この姿勢を20秒間キープします。
  4. ゆっくり戻す
    姿勢を崩さないように、お尻をゆっくりと床に下ろします。

ポイント

  • 背筋を意識しながら動作を行い、反動を使わないようにします
  • 息を止めず、自然な呼吸を続けてください
  • 無理のない範囲で行い、痛みを感じた場合は中止してください

この筋トレは、背筋を鍛えることで前かがみ姿勢を改善し、腰への負担を軽減します。正しいフォームを意識しながら、毎日続けてみましょう!


[のけぞり腰痛]腹筋を鍛える筋トレ
このトレーニングは、腹筋を強化して腰の反りを改善し、のけぞり腰痛を軽減するための効果的な方法です。

やり方

  1. 準備姿勢
    仰向けに寝て、膝を立てます。リラックスした状態を整えましょう。
  2. お腹を膨らませる
    • ゆっくり息を吸いながら、お腹を膨らませます。
    • このとき、腰を床に押し付けるようにすると、さらに効果が高まります。
  3. お腹を凹ませる
    • お腹が膨らみ切ったら、今度は息をゆっくり吐きながら、お腹を凹ませます。
    • 凹ませた状態を5秒間キープしましょう。
  4. 負荷を追加する
    5秒キープが楽にできるようになったら、肩を床から10~20cm持ち上げ、その姿勢で再び5秒間キープします。
  5. 繰り返す
    この動作を1日3回行いましょう。

ポイント

  • 腰が浮かないように、常に腰部を床に押し付ける意識を持ちましょう。
  • 息を止めず、ゆっくりとした呼吸を心がけます。
  • 負荷をかけすぎず、痛みを感じた場合は中止してください。

効果的なタイミング
このトレーニングは、午前中に行うことで体幹に刺激が入り、姿勢維持にも効果的です。毎日の習慣として取り入れてみてください!

正しいフォームで、のけぞり腰痛を根本から改善しましょう!


筋トレで気をつけたいのが、痛みが出ない範囲で行うこと。また患者さんを見ていると、腹筋運動のつもりが背筋を使っているなど、間違ったやり方をしている人もいます。そうすると、休めなければいけない筋肉を酷使することになり、症状が悪化しかねません。「なにかおかしいぞ」と感じたら、自己流で判断せずに専門家にご相談ください。

以下、日本整形外科学会より参照

腰(脊柱)に由来するもの

先天異常や側弯症、腰椎分離症など主に成長に伴っておこるもの、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変性すべり症など主に加齢により生ずるもの、腰椎骨折や脱臼などの外傷、カリエスや化膿性脊椎炎などの感染や炎症によるもの、転移癌などの腫瘍によるものなどがあります。

腰以外に由来するもの

解離性大動脈瘤などの血管の病気、尿管結石などの泌尿器の病気、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気、胆嚢炎や十二指腸潰瘍などの消化器の病気、変形性股関節症などの腰以外の整形外科の病気によるものがあります。加えて身体表現性障害、統合失調などの精神疾患や精神的なストレスによる心理的な原因による場合もあります。

しびれとは

しびれの種類

【内科的原因のしびれ】

内科的な原因としては糖尿病やアルコール性のしびれがあります。これは末梢神経が病気によって障害されて生じています。ビタミンBの欠乏などでも生じますし(現代では非常に少ない)、お薬の副作用でしびれが出る場合もあります。

【脊椎に関連するしびれ】

脊髄の圧迫によるしびれもありますし(脊髄症)、馬尾神経や神経根の圧迫によるしびれもあります。

病名では、頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、腰椎分離すべり症、頚椎・腰椎椎間板ヘルニアなど多くの脊椎疾患で「しびれ」が生じます。

【末梢神経に関連するしびれ】

脊椎から神経が出てからの部分で末梢神経に圧迫が加わって生じます。

病名では、手根管症候群、肘部管症候群、ギヨン管症候群、大腿外側皮神経麻痺、腓骨神経麻痺、足根管症候群、などがあります。

※太字のものが腰部と関係が深い

引用:日本整形外科学会

慢性的な腰痛が続くと徐々にしびれといった神経症状が現れることが多いです。

・坐骨神経痛(下肢の付け根~足裏といった後面や側面部分)

・大腿神経痛(大腿前面内側部分)

・梨状筋症候群(臀部深層にある梨状筋が坐骨神経を圧迫しおきるしびれ)

腰以外に原因となるしびれ

・血管系・婦人科・消化器等といった疾患によるものや、精神性ストレスによるもの

しびれの対処法

【原因が内果的要因のもの】

内科的なしびれは末梢神経が病気によって障害されて生じていますので、病気の症状改善をしていきます。

※当院では対応しかねます。

【脊椎に関連するしびれ】

脊髄の圧迫によるしびれですので、日常生活で圧迫のかからない姿勢をする必要があります。

例えば、腰部脊柱管狭窄症と診断されている方は、背筋をのばして反るような体勢や動作で痛みが改悪することがありますので、必然と背中を丸めた姿勢が楽になります。

病態によって楽になる姿勢が違いますので、専門家の指導に従っていきましょう。しびれが強い場合は薬を併用し痛みのコントロールをしながら、リハビリを行います。

※当院ではリハビリで対応していきます。

【末梢神経に関連するしびれ】

脊椎から神経が出てからの部分で末梢神経に圧迫(のストレス)が加わって生じていますので、その圧迫部分がどこなのか、どうして圧迫がかかっているのかを見極める必要があります。

・坐骨神経痛(下肢の付け根~足裏といった後面や側面部分)
→腰椎3-5番目の高さからでている神経の束にストレスがかかっていることが多いので、そのストレスを取り除いていきましょう。

<臀部ストレッチ1 動画>
<ハムストリングス ストレッチ 動画>

・大腿神経痛(大腿前面内側部分)

<大腿四頭筋ストレッチ 動画>

・梨状筋症候群(臀部深層にある梨状筋が坐骨神経を圧迫しおきるしびれ)

<臀部ストレッチ2 動画>

※しびれが急性の場合、強い場合は悪化する恐れがあります。
ストレッチを行う時には十分お気をつけてください。