腰椎椎間板ヘルニアってなに?

参照元:NHK

ヘルニアとは何?

ヘルニアとは、体内の臓器が本来あるべき位置から飛び出してしまった状態を指します。例えば、臍ヘルニア(でべそ)や鼠径ヘルニア(脱腸)がよく知られています。

これが背骨のクッションである椎間板で起こったものを椎間板ヘルニアと呼びます。椎間板内にある「髄核」というゲル状の組織が外に飛び出した状態です。


腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰の骨(腰椎)の椎間板でヘルニアが発生したものを指します。


症状

  • 腰痛
  • 下半身の痛みやしびれ
  • 運動麻痺:足がうまく動かせなくなる
  • 感覚麻痺:感覚が鈍くなる

これらの症状が現れる場合は、適切な診断と治療が必要です。

腰椎椎間板ヘルニアの原因は?

腰椎椎間板ヘルニアの発症原因とは?

腰椎椎間板ヘルニアは、多くの場合、日々の生活で椎間板に負担が積み重なることが原因で発症します。


発症しやすい生活習慣や職業

  • 長時間の車の運転
  • 中腰での作業
  • 重いものを持つ作業

特に以下の職業に従事する男性は、腰椎椎間板ヘルニアになるリスクが高いとされています。

  • 職業ドライバー
  • 大工や塗装職人
  • 金属・機械関連の就労者

これらの職業は、事務職の方に比べ、約3倍発症しやすいと言われています。


腰に負担をかけない方でも注意が必要

  • 長時間PC作業をする人でも発症するケースがあります
  • その他、喫煙や遺伝的要因も発症リスクを高めるとされています

腰に負担のかかる生活習慣や環境を見直し、適切な予防を心がけることが重要です。

椎間板ヘルニアの好発年齢は?

腰椎椎間板ヘルニアは、腰への負担の積み重ねが主な原因となるため、活動性の高い20代から40代の男性に多く見られます。次いで、10代や50代でも発症するケースがあります。


発症しやすい部位

腰椎は第1から第5まで5つ存在しますが、ヘルニアが発生しやすいのは以下の箇所です。

  • 第4腰椎と第5腰椎の間
  • 第5腰椎と仙骨の間

これらの部位は、構造的に最も負担がかかりやすい場所です。


特徴

  • 片側のみ発症
    椎間板への圧力が原因であるため、左右同時に発生することはほとんどなく、片側だけに痛みやしびれが現れるのが特徴です。

適切な診断が重要

症状を引き起こしている部位を正確に特定することが、適切な治療の第一歩です。

  • いつもと違う痛みや不安を感じる場合
    医療機関を受診し、MRIなどの精密な画像検査を受けましょう。

早期の診断と治療が、腰椎椎間板ヘルニアの改善に繋がります。

男性に多い

腰椎椎間板ヘルニアの検査は何をするの?

腰椎椎間板ヘルニアの診断方法

医師による腰椎椎間板ヘルニアの診断は、以下の手順で進められます。

  1. 問診
    症状や発症の経緯を詳しく確認します。
  2. 診察所見
    筋力や感覚、各種神経の検査を行い、異常を特定します。

診断にはMRI検査が必要

整形外科でよく行われるレントゲン検査では、骨の異常は確認できても、椎間板や神経の状態を詳しく把握することは困難です。

MRI検査は、椎間板ヘルニアの診断において欠かせない検査です。


注意点

経験豊富な医師であれば問診や診察でヘルニアを疑うことは可能ですが、他の疾患を見落とさないためにも画像診断(特にMRI)を受けることをお勧めします

正確な診断が、適切な治療への第一歩です。心配な症状がある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。

画像診断

腰椎椎間板ヘルニアの対処法

腰椎椎間板ヘルニアの急性期の過ごし方

急性期には、痛みを抑えながら腰椎に負担をかけない日常生活を心掛けることが大切です。


基本的な対処法

  1. 痛み止めの服用
    医師の指導のもと、痛み止めを使用して痛みをコントロールします。
  2. 負担のかからない姿勢を意識
    痛みを感じない体勢を見つけ、腰への負担を軽減しましょう。

リハビリの注意点

  • 腰椎に圧力をかける原因となる筋肉を無理なく緩めることが重要です。
  • 無理なストレッチはNG
    痛みに過敏になっている神経を刺激し、症状が悪化する可能性があります。

日常でできる筋肉の緩和法

  • 入浴:お湯で体を温めて筋肉をほぐす。
  • 十分な睡眠:疲労を回復し、体をリラックスさせる。

また、整体院などで無理のない範囲で施術を受けるのも効果的です。ただし、信頼できる専門家に相談することが大切です。


急性期は焦らず、体をいたわりながら適切なケアを心掛けましょう。

筋肉を緩めます